抗不安薬

さっきTwitterに出てきた小説家の羽田圭介の数年前の本のリリース時のインタビュー記事を読んだら、急にとてつも無い不安に駆られ、文字で何とか不安を和らげようと、今試みている。
羽田圭介の作品は読んだことがないのだが、そのインタビューで語られていた本は、ミニマリストを主人公にしたという面白そうな話ではあった。
確かにミニマリストなる人たちの画一的な語りの違和感は俺も感じていたなー、数年前の本だし、古本で安く買えそうだから読んでみようかなーなどと、楽しく読み進めていた。だが、読み進めて行った先の、ミニマリストや投資家、フリーで働くものやリモートワークをする人々等の、社会や生身の人間との関わりの希薄な人々のメンタルの考察部分に大いに自分に当てはまる部分があり、心の不安の急所をピンポイントで突かれ、こんな不安な状態に陥った。
同世代の早熟の成功者に、人間社会との関わりの希薄な俺の不安を綺麗に冷静に言語化され、突きつけられ、この先の人生が怖くなったわけだ。

俺は仕事は家でしているし、関わりを持つ人間はとても少ない。かと言ってソーシャルメディアを介して有用で友好な関係を築けるとは信じられないし、現に築くことはできない。ツイッターへ何か文字を打ち込んでみたいと思うこともたまにあるのだが、大体が嫌味混じりの非生産的な文字情報ばかりでいつもすんでのところで押し留めている。どんな顔でソーシャルメディアへ向き合えばよいのか全くわからない。なのでとにかく無表情を心がけていたら、現実の生活もそれに影響されて無表情になって来ている。
思い返してみればコロナ禍と子育てで人との関わりを持たなくていい理由が十分にあった数年前は結構気が楽であったし、ずるずるとそのまま来てしまっているのかも知れない。
まあ、こんな事を書いても世界は変わらないし、結局ただただ、やるべき事をクリアして行くしかないんだけど。

最近は週末であっても外へ出でにくい事も多いのだが、全てを振り切って街へ繰り出すと、やっぱいいなー東京と思う。
昨日は前々から気になっていたSUBSTANCEというデミ・ムーア主演の映画がようやく新宿のKino cinemaで見れるようになったから、家を振り切って行って来た。
Kino cinemaへ行ったのは数年ぶり2回目であったが、俺の部屋の100インチのスクリーンよりちょっと大きいくらい、多分120インチくらいで、そのサイズの小ささを見ただけで大きく後悔した。夕方の時間しかなかったから行けなかったんだが、無理矢理にでもピカデリーに行けばよかった。
そんなテンションだったからか、結構評判のいいその映画も全く楽しめず、不満ばかりで、尿意も相まって早く終わることをひたすら願っていた。一箇所面白かったところと言えば、モンスター化したデミ・ムーアがステージ上で顔面から脱糞をするように、裏に目ん玉のような管のついた乳房を産み落とすシーンは面白かった。
映画の専門用語やジャンルには疎いので、後から知ったが超有名なところではクローネンバーグなどと同じ括りの、ボディホラーと言うジャンルらしかった。
トレイラーとホラーであると言う事以外、前情報一切なしで行ったから、前半の細かい話の矛盾点や不明瞭さ、わざとらしい演出のダサさがやたらと目についてしまって、ずっとため息をついて見ていたが、ものを考える糸口とはなったからよしとしている。高橋ヨシキは絶賛しているし、これを読んでいるあなたへお勧めします。

それと最近面白く読んだ本、ブラック・カルチャー──大西洋を旅する声と音 (岩波新書 新赤版 2061) と、Disney plusで見れるAkiko Okatsukaのスタンダップコメディー面白かった、お勧めです。huluが日本だとDisney plusになるのよくわからんけど。

そろそろ寝る必要があるから終わりにする。
フェラクティってこの曲以外あまり知らなかったし、アフロアメリカンと何となくずっと思ってたんだけど、ナイジェリアンであると、そんな根本的な事を今更になって上の本を読んで知った。ちゃんと色々知らないとダメですね。勉強しましょう。
夏だし超汗かいてブチ上がりてえ!

MA [em-ei]

1985年 アジア・日本生まれ 東京都在住

2012年2月24日の自身の誕生日に初個展「BORN IN JAPAN”[F*** you, I won?tdo what you tell me ]」を活動の声明とし開催して以来、アーティストとして活動を続けている。
油彩での写実的表現から、ステンシルを用いてのスプレーペイント、自身の街でのグラフィティから着想を得たペンキで描かれる「ドリップレター」など、各種油性塗料を主に使用したペインティング作品、そして雑誌、写真、ドローイング、文字等を元にアナログとデジタルの双方でのコラージュ作品、またそれらを組み合わせて作品制作をする。

WEBサイト : zmawamz.jp/
ショップ : shop.hidden-circus.com/


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