ずっと

ここの所、急激に寒くなり色々とバランスが崩れて、不調をきたしている感覚がある。こういった季節の変わり目の不安定な天候が続く時期には、着たい服を探すもしくは作る、という行為がフィジカルとメンタルの安定に役立つ。
今年はragtagで昔好きだったUKブランドの好きだった時期に作られた、凝った作りの雰囲気の良いアウターを買ったが、厚手ではあるがcotton100%で防寒性能にやや不安があったため、それに合わせたいスエットをプリントをして作ることにした。

プルオーバーのフーディースエットは数着持っているが、首周りが後ろに引っ張られる感覚があり、煩わしく感じるのであまり好きでは無い。みんな好きなんだろうが。
昔にUNIQLO話で小遣い稼ぎをしているMBというファッションYoutuberが、UNIQLOのフーディーの「良さ」を蘊蓄を交えて語っていた。
「フードのタチがいい、それがいいフードスエット!UNIQLOのこれはまさにそれ!!持っていて損はない、しかもこの価格、カラバリも豊富!この価格だし普段買わない色などで冒険するのも全然アリ!俺はUNIQLOの回し者ではないし、いっさいお金はもらっていません!!!」
などと、深夜の通販番組さながらの熱で語りかけられた俺は、不覚にもそれを「じゃあ試しに..」などと考え買ってしまった。だが1シーズン着てみて、フーディーがタとうがネようが結局めんどくさいし、全く愛着も湧かなかったし、そのスエットの存在そのものが邪魔になり、最終的にイライラしてきて生ゴミと一緒に捨てた。

なので、煩わしいフードのない、クルーネックが永く着れるだろうと思い、小さめのプリントのシンプルなMALCOLM Xのスエットを作った。
数年前にLIFEのアーカイブで見つけて保存していた1966年に撮られた写真を参考にした。その写真のアンちゃんが着用している、このスエット欲しいなーと何年もずっと思いながら眺めていた。vintageっぽいデザインなど、何かっぽいだけのひねりを加えないものを雰囲気だけで作るのは、置きにいっているようで避けてきたが、着たい!という気持ちが勝り、自分のアーティスト性など無視して作ることに踏ん切りがついた。
なので、自分の作品だとは現時点で思えないが、シンプルにカッコ良いと思うし、ドローイングでイメージを作っただけあって、薄っぺらい表面コピーではないものに仕上がった感覚はある。プリントはインクジェットで染み込んだ感じで、洗濯する毎に色もだんだん薄まって小汚いヴィンテージ感が出る予定。
年末も近く、短納期ができなくなりそうなので、2023/11/26までの受注生産。
買ってくれたらありがたいが、自分が着たいだけで作ったものなので必死で売ろうと思っているわけでは無いけど、着たいと思う気の合う同志はぜひどうぞ。

“MALCOLM X” CREW NECK SWEATSHIRT (VINTAGE GRAY/9.7OZ)

で話を変えるが、音楽知識豊富な含蓄のある崇高な思想を持つ方々は馬鹿にしてきそうだが、最近はまたずっとRage Against The Machineばかりを聴いて作品を作っている。左翼的思想の音楽をずっと聴き続け、俺は保守的だなあと感じる。まあでも俺はこれでいいかなと思う。
昔に初めて会った人に「絵を見ていた限り、こんなシュッとした感じの人だと思わなかった。同じものばかりをずっと喰い続けている様な人が描いているかと思っていた」などと結構失礼な言われ方をし、苦笑いで話を終わらせたことがあるが、あながち間違ってはいない。

MA [em-ei]

1985年 アジア・日本生まれ 東京都在住

2012年2月24日の自身の誕生日に初個展「BORN IN JAPAN”[F*** you, I won?tdo what you tell me ]」を活動の声明とし開催して以来、アーティストとして活動を続けている。
油彩での写実的表現から、ステンシルを用いてのスプレーペイント、自身の街でのグラフィティから着想を得たペンキで描かれる「ドリップレター」など、各種油性塗料を主に使用したペインティング作品、そして雑誌、写真、ドローイング、文字等を元にアナログとデジタルの双方でのコラージュ作品、またそれらを組み合わせて作品制作をする。

WEBサイト : zmawamz.jp/
ショップ : shop.hidden-circus.com/


Date posted

Category:

Author:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です